うみのクラシック部屋

クラシックをもっと知りたくなった、勉強したくなったあなたのためのブログ。

モーツァルトの音楽、ぜひこれを聴いてほしい! ~毎週火曜の音源紹介コーナーその5

こんにちは。
ピアニストでピアノ講師の内田瑞穂です。

昨日インスタライブに来てくださった皆様はありがとうございました!
オンライン上でお客様とコミュニケーションをとりながら演奏ができるインスタライブ配信…
生音のコンサートとはまた違った楽しみがありますね☆ミ


さて、今日は恒例の音源紹介コーナーの定期更新の日。。。
その前に一つ先週の記事で訂正がありまして(;'∀')

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先週の記事のタイトルを、このコーナーが始まって第4弾の記事だったのに、ずっと第3弾にしておりました。
大変失礼いたしました・・・!!

今の今まで気が付かず、先ほど訂正いたしました。2020.5.19訂正


というわけで、お詫びもそこそこに(おいこら・・・💥)今日の記事。
今日は私の大好きなモーツァルト特集です💛

今までの記事では1800年代や1900年代の、クラシックとしては新しい部類の曲が多かったので、今日は少し時代をさかのぼります。
時は18世紀後半。1756年に生まれ、1791年に35歳の若さでこの世を去った、天才モーツァルトのぜひぜひ聞いてほしい曲たちです。

ホルン協奏曲第1番


♪モーツァルト:ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412 / デニス・ブレイン(ホルン),ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団 1953年11月

なぜかモーツァルトの中で一番好きなんですよね。この曲。
自分で演奏する、という面ではものすごく縁遠い曲なのに。

まあでも、音楽に限らず何かを好きになるってそういうことなのかもしれないですね。
画家のカンディンスキーもモネの≪積みわら≫の絵を見て、最初は何が描かれているのかわからなかったのになぜか惹きつけられて、それがアーティストとして歩むきっかけになったらしいですし。
「なぜか好き」の中に自分の本当にやりたいことが隠れているのかもしれない。
なーんて思ってみたり(笑)



いきなり話がそれましたが、曲の話に戻ります。
モーツァルトのホルン協奏曲って1番~4番まで番号付けされているんですが、これはそのうちの1番です。

これまでは1~4番の番号順に作曲されたと考えられていたんですが、どうやら最近の研究ではこの1番が4曲の中で一番最後に完成されたのではないか?と考えられているようですね。
特にモーツァルトとかハイドンとか、この時代の作曲家の曲は作曲年代や作曲者についてもはっきりわかっていないことが多くてよく論争になっています。
(のちの研究結果で違う人の作曲だってことがわかって、同じ曲なのに楽譜によって作曲家が違うなんてこともあります。この曲のことじゃないですけど・・・💦)


多分今までこのコーナーで紹介してきたオーケストラ曲の中では、一番シンプルな部類だと思います。
響きだってラフマニノフやプロコフィエフの方が比べ物にならないくらい分厚い。
そりゃそうですよね。そもそも楽器の数が違うんですから。
ラフマニノフなんて管楽器は木管も金管もあって充実していますが、この曲に至ってはそもそも金管いないですし。



このシンプルな要素を組み合わせてここまで充実した音楽を作るんだからほんとにすごいよなあ・・・と私は思うのですが皆さんはどう感じるでしょうか?
シンプルだからこそ、その要素の一つ一つをいかに歌わせるか考えるのがモーツァルト演奏の楽しいところだと思います。
まあこの曲は自分で演奏する分にはなかなか機会がないんですけど(;'∀')だれか伴奏させてくれないかなあ・・・

交響曲第40番


モーツァルト: 交響曲 第40番 ト短調 K.550 チェリビダッケ 1994

今度は交響曲です。
「交響曲第40番ト短調」多分モーツァルトの交響曲の中ではトップクラスに有名な曲ですね。

39番と今日紹介する40番、そして≪ジュピター≫という題でも呼ばれる41番の3つを合わせて「三大交響曲」なんて呼び方もされるくらいです。
なんとこの3曲まとめて、1788年の6月~8月までというものすごい短期間で仕上げているらしいですよ。びっくり・・・Σ(・□・;)



私、チェリビダッケが指揮しているモーツァルトがなーんか好きなんですよね。
大学生の時に何かの音源を聴いて(モーツァルトだったことは覚えてるんですけど何の曲だったか忘れてしまいました・・・💦)めちゃめちゃきれい!!と思って。
この40番も第2楽章の緩徐楽章(ゆったりな楽章)がいいなあって。
まあこの曲に限らずモーツァルトの緩徐楽章大好物なんですけど(笑)


ついでに第3楽章に声が入っているのが力の入り具合を感じる・・・!
本気で音楽を感じて演奏しようと思ったらついつい声が出ちゃうんですよね(;'∀')

ぜひゆったりリラックスして聞いてみてください。





・・・というわけで、今日は私の好きな曲特集みたいになってしまった(笑)
また来週の記事もお楽しみに♡
ではでは!


インスタライブ、無事終演!

今日のインスタライブ、無事終演しました!私としては初のオンラインライブ…!!

今日の朝に思い立って、急遽告知して勢いだけで突っ走ったんですけど、初めてでも意外となんとかなるもんですね…。勢いって怖い…笑



告知が明らかに不十分だったので、下手したら誰もお客さん来ないんじゃないかと思ってたんですけど最初から最後までいてくれたお客さんもいて、行きたかったけど行けなかった~というお客さんもいて、とてもありがたいですね✨

今度はちゃんと前もって告知して第2弾やろう!!うん!



とりあえず今後の予告としては、インスタライブ第2弾の前にYouTubeチャンネルを作ってちょっとずつ動画のコンテンツを増やしていく予定であります(^-^ゞ

その辺もまたお知らせしますので、インスタでもこのブログの読者登録でも、どちらかしていただけるとすぐにご案内できると思います!



あ、明日のブログの定期更新(あ、日付越えちゃった…もう今日だ😅)も忘れてないですよ💦ちゃんと更新しますからね💦💦

ではでは!

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【告知】インスタライブ始めます!

こんにちは! ピアニスト・ピアノ講師の内田瑞穂です。

実はこの度、インスタライブを始めることにしました!

ひとまず今日の夜、お試しで一度配信してみようと思います✨ 5月18日(月)20時半~です。

今日は初回ということで、気ままに曲を流していこうかなと思っていますが、だんだん宣伝なども力を入れて、定期的に配信していく予定です!

もし時間が合わなくても、アーカイブに残していくつもりなので、よかったら聞いてくださいね。

というわけで、インスタもフォローしてくれたら嬉しいです🎵 Instagram post by 内田 瑞穂 • May 18, 2020 at 3:07am UTC

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ラフマニノフの自作自演を集めてみました。~毎週火曜の音源紹介コーナーその4

今日はラフマニノフの自作自演の演奏を集めてみました。

以前の記事で一つ紹介しましたが…
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今日は違う曲を(⌒∇⌒)

ピアノ協奏曲第2番


Rachmaninoff plays Piano Concerto 2

これはのだめカンタービレでめちゃくちゃ有名になりましたね。
特に1,2楽章は和音の響きにキュンとくる・・・(笑)

交響曲第1番の初演が大失敗し、3年間の作曲家としての沈黙期間を経て作曲されて大成功を収めたという曲です。
(3年間鬱状態だったという話をよく聞きますが、この間に指揮者としては成功を収めているし、3年間ずっと精神的に病んでいたわけではないようです。*1

ピアノ協奏曲第3番


Rachmaninoff plays Piano Concerto 3


上で紹介した2番もそうですが、ラフマニノフの演奏ってテンポが速めでなんだかさっぱりしていると感じます。

結構ねっとり弾く人が多い気がするけど…(笑)
まあ、良し悪しはともかくとして爆音で弾かなきゃまあ・・・うん


ラフマニノフのこの音の多さであっさり聞こえるって逆にすごい・・・と思ったり。

前奏曲 op.23-5


Rachmaninoff plays Prelude in G Minor Op. 23 No. 5

前奏曲なのに最後に紹介するっていう(笑)
「10の前奏曲 op.23」のうちの5曲目。
前に紹介した嬰ハ短調の前奏曲とは違う曲集ですね。
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この曲集が発表されたのが1903年ですが、この5番が1番早く、1901年に作曲されたそうです。
「プレリュード・マーチ」の愛称でも呼ばれるように、楽譜の最初には”Alla marcia"(行進曲風に)と書いてあります。

前奏曲って1曲1曲はたいして長くないので、時間があったら全部聞いてみてくださいね。

というわけで、今週はここまでです。
緊急事態宣言はいつ解除されるんだろうか…気になる今日この頃です(;'∀')

*1:参考:一柳富美子著「ラフマニノフ 明らかになる素顔」

Skypeが重くて動かなかったのが、やっと改善した話

4月以降、外出自粛のために私がレッスンを受けるときにもSkypeでのオンラインレッスンに切り替えていたんですけど、
パソコンの動作が重くて重くて、ずっと画面が動かなかった…💦

これじゃレッスンに困る!ってことでパソコンに詳しい父と妹に調べてもらったら、パソコンのメモリー要領が足りないんじゃない?と…

で、パソコンやさんに行ってメモリーを買ったんですが、お店のお兄さん曰く、そもそもこの機械にWindows10は重い!らしいのです…

とりあえず、メモリー要領増やしてWindows 8.1に戻したらSkypeはどうにか動くようになったのですが、これって次にアップグレードされるか8のサポートが切れたら否応なしにパソコン買い換えってことですよね💦

私は割と1つのものを長く使いたいタイプなのですが、パソコンは長く使えるようにはできていないのね…。

そんなに複雑な作業はこの機械音痴にはできないから、手頃なものを長く使えればそれでいいんだけどな💦 って言うとうちの家族にはおばあちゃんかよ!って言われそうだけど(笑)

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アルフレッド・コルトーの演奏 ~毎週火曜の音源紹介コーナーその3

今日はタイトル通り、アルフレッド・コルトーの演奏を集めてみました。

コルトーと言えば、楽譜の”コルトー版”で私もお世話になっています<(_ _)>
練習方法が盛りだくさんに書いてあって、特にエチュードなんかは「なるほど」と思いながら練習しています。

ショパン/ワルツ


Alfred Cortot - Chopin Waltzes (1934)

ショパンのワルツってホントにいっぱい曲がありますよね・・・
全部やってみたいな、と思いつつ制覇するのはなかなか大変だ(;'∀')

この演奏を聴くと、「あ、やっぱりショパンのワルツって踊るための曲じゃないんだな」と思います。
そこがショパンの難しい所でもあって・・・

”ワルツ”なのに踊るための曲じゃないって、字面だけ見るとなんのこっちゃ・・・って感じですけど💦

ショパン/スケルツォ第2番


Alfred Cortot: Chopin Scherzo No.2 in B-flat minor, Op.31

これは有名どころですね。
うちの母に「弾いて弾いて!!」ってずーっと言われ続けてるのにいまだに取り組めていない曲・・・

最初の休符が決まるとかっこいいな、と思います。
この曲に限らず、ステージで弾いていて、休符になった瞬間に会場がシーンとなっているなと感じるとたまらなくなりますね。

ラヴェル/水の戯れ


Ravel Jeux d'eau Cortot Rec 1920

これは”のだめカンタービレ”でちょっと有名になったかな?
ちょうど学生時代にのだめがやっていた世代なので、漫画もアニメもドラマも全部見ていました。
あれでかなりいろんな曲を好んで聞くようになりましたね~

この曲、リストの「エステ荘の噴水」から影響を受けていると言われていますね。
ちょうど私も練習しているところです。

私は、モネの絵なんかを見るとドビュッシーとかラヴェルの音楽が思い浮かびます。
いろんな色を織り交ぜて色彩感を作っているところが音楽の色彩感にも似通っている感じがして・・・

でもこの曲、発表された当初は「亡き王女のためのパヴァーヌ」と比較されて、酷評だったらしいですけどね(;^ω^)

というわけで、今週はここまでです!
来週は何の曲がいいかしら・・・?

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子どもたちに自粛のしわ寄せがいかないことを…

昨日、私がピアノを教えている生徒のお母さんから「学校に行けない日々が続いていますが、ピアノがいい気分転換になっているみたい」とメールが届きました。

家で目一杯楽しめるという意味で、ピアノをやっていて良かったな、とはここ1ヶ月いつも思っていましたが、生徒さんにもそう感じてもらえると嬉しいですね✨




ただ、そう思う反面、やっぱり3月からもう2ヶ月近く学校にも行けずお友達にも会えず…という日々が続いている子どもたちには、かなりストレスがたまってるんだろうな、というのも感じました。

何人かの生徒のお母さんからもそんな話を聞いていますしね…




今の自粛期間はもう家にいるしかないので仕方がないとしても、活動再開になったときに子どもたちにしわ寄せがいかないことを祈るばかりです…。



学校に行けない間のお勉強をどうするのか?
学校がなくて生活習慣が崩れてしまった子達をどう立て直すのか?
再開時期がばらけることで起こる地域格差
受験生なのに授業がなくなってしまった学生さん、学費が払えなくなりそうな学生さん…



周りの大人が考えてあげないといけないことは山積みですね…。

私の生徒さんたちには、どうかお家でピアノを思い切り弾いて発散しつつ、身体的にも精神的にも健康に過ごしていてほしいものです…!!

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譜面の整理中…!

今日もstayhome週間。 せっかくなので、今までやったアンサンブルとか伴奏譜とか、冊子になっていない楽譜たちを整理しようと思って全部引っ張り出したらこんな状態に…😱

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よくよく考えたらこの楽譜たち、そんなに前のものじゃなくてここ5年ほどでたまったやつ…  いつの間にやらこんなにたくさん曲をやっていたのね。

片付け終えるのに、まだまだ先は長そうだ…。

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「蜜蜂と遠雷」の映画を見てから聴くようになったピアノ協奏曲~毎週火曜の音源紹介コーナーその2

宣言通り(笑)毎週火曜の音源紹介第2弾です。

前回の記事はこちらから↓↓↓
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今日はピアノ協奏曲を2つ。
ハンガリーの作曲家、ベラ・バルトークの「ピアノ協奏曲第3番」と、ロシアの作曲家、セルゲイ・プロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」です。
(書くまで気が付かなかったけどどっちも3番だった・・・笑)


今日この2曲をチョイスしたのは、2曲とも昨年映画化されて話題になった「蜜蜂と遠雷」の中で使われた曲だからです。

実は私、近現代(19世紀末くらい~の音楽)の曲ってこれまでそんなに好んで聞いてこなくて。
2曲とも曲としては知っていたけど今までちゃんと?真面目に?は聞いていなかったんですよね。


それが昨年映画館で見て、この曲を聴いて、「え、いいじゃん」となったんです。
相も変わらず形式美を追い求めている古典派とかバロックとかが一番好きなのは変わらないんですけど、こういう近現代の曲も結構聞いていて楽しいな、というのに今更ながら気が付いた私です。

バルトーク/ピアノ協奏曲第3番


Bartók: Piano Concerto No. 3, Fischer & Markevitch (1955) バルトーク ピアノ協奏曲第3番 A. フィッシャー&マルケヴィチ

今日載せるのは、アニー・フィッシャーがピアノ、マルケヴィチが指揮のロンドン交響楽団の演奏。
冒頭のピアノの旋律がいいなーと思います。

そういえば、ベラ・バルトークって上で書きましたけど、ハンガリーって日本と同じく名字+名前の順だから正式にはバルトーク・ベラみたいですね。
「ベラ・バルトーク」の順でよく呼ばれているし、私もついついそう書いてしまいましたが…

プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番


Prokofiev: Piano Concerto No. 3, Kapell & Doráti (1949) プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番 カペル&ドラティ

ウィリアム・カペルのピアノ、ドラティの指揮、アメリカのオーケストラ、ダラス交響楽団の演奏です。
カペルって31歳で早逝してしまったピアニストですね。
音楽家って若くして死んでしまう人がなんか多い気がするのは気のせいでしょうか?

最初のクラリネットのソロと二重奏、そこからの弦楽器への受け渡しがすごくきれいで・・・
そこから始まるリズミカルなピアノのソロ。
このオーケストラとピアノのかけあいが聞いていて楽しいです。


特にこのプロコフィエフの第3番は映画の中でもクライマックスで演奏されたということもあって、聴くと映画を思い出します。

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

  • 発売日: 2020/03/08
  • メディア: Prime Video

確か私が原作を初めて読んだのが3年くらい前、そして映画を見たのが昨年・・・

本も映画も、終わった後にピアノが弾きたくてたまらなくなったことをおぼえています。
本は家で読んでたからいいけど、映画は友達と遊んでいる時に一緒に見たのに、早く家に帰ってピアノが弾きたくなるっていう・・・(笑)

なんていう毒・・・☠いや、薬か?笑
記事を書いていたらまた映画が見たくなってしまいました・・・!!


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【ピアノ初心者のための楽譜の読み方】調号をおぼえて、譜読みを楽にしましょう! ②調号を一目で見分けられる簡単な方法

前回の記事で楽譜の最初に書いてある♯や♭(=調号)のことについてお話ししました。
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シャープが1つのもの、2つのもの、フラット1つのもの、2つのもの、何もついていないものなど、たくさんの種類がありました。
この調号を見れば、その曲が何の調なのかがわかるということもお話ししたと思います。

今回はその続きで、調の見分け方についてをお話ししようと思います。
「この調号がついていたらこの調」と覚えてしまうのもいいですが、調号を見た瞬間にわかるすごく簡単な見分け方があるので、今日はこれをお伝えしたいと思います。

調の見分け方

前回説明したように、”調”というのは簡単に言えば”その曲の中心となる音は何なのか?”を表す言葉です。
調号から調を見分けるには、この”曲の中心となる音”主音と言います)を見つけるのがポイントになります。

調を見分ける流れとしては、以下の通りになります。



  1. 調号を見て、長調の”曲の中心となる音”=”主音”を見つける。
  2. その曲が長調なのか短調なのかを見分け、調を見極める。



調号1種類につき、長調と短調1つずつを表すことも前回お話ししました。
調を見分ける時には、まずその調号で表される長調を突き止め、そこからその曲の調を見極めます。

一番重要なのは、1.の長調の”主音”を見極めること
調号がシャープのものとフラットのもので見分け方が違うので、それぞれ見ていきます。

調号を見て、長調の”曲の中心となる音”=”主音”を見つける

シャープの場合

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例にこの調号を挙げてみます。
前回の記事で説明したように、シャープの調号はファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シの順番でつきます。
この調号は3つシャープがついているので、ファ、ド、ソの3つにシャープがつくことになります。


調を見分ける時に注目すべきは1番右端にあるシャープ
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この赤い丸のシャープ、ソのシャープですね。


この右端のシャープの半音上の音がこの調号の長調の主音になります。
つまり、この調号の”長調の主音”はソのシャープの半音上、ラの音になります。

フラットの場合

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フラットではこの調号を例に挙げてみます。

これも前回説明しましたが、フラットの調号はシ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファの順になります。
この調号は4つフラットがついているので、シ、ミ、ラ、レの4つにフラットがつくことになりますね。


フラットの調号を見分ける時に見るのは右から2つ目のフラットです。
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この赤い丸、ラのフラットです。

フラット系の調号では、この右から2つ目のフラットの音がそのままこの調号の長調の主音になります。
つまり、この調号ではラのフラットが”長調の主音”になります。

長調なのか短調なのかを突き止めて、調を見極める

これで最初にご紹介した調の見分け方・・・

  1. 調号を見て、長調の”曲の中心となる音”=”主音”を見つける。
  2. その曲が長調なのか短調なのかを見分け、調を見極める。

のステップ1はクリアです。

②の”長調なのか短調なのか?”は曲を実際に聴いてみてください。
最初の内は、明るい響きがしたら長調、暗い響きがしたら短調という理解で問題ないと思います。
(曲の実際の音から長調か短調かを理論的に見極めることもできるのですが、かなり専門的な話になってきてしまうので、もし詳しく勉強したいという人がいたらこの記事の最後にご紹介している書籍を読んでみてください。)

長調の場合

曲を聴いてみて、その曲が長調だったら、1.の作業で突き止めた長調がそのままその曲の調になります


すなわち・・・

  • シャープの例の時は主音がラの音だったので、ラ(=日本語で”イ”)の長調、つまり”イ長調”
  • フラットの例の時は主音がミのフラットだったので、ラのフラット(=日本語で”変イ”)の長調、つまり”変イ長調”

になります。

短調の場合

その曲が暗い響き=短調の曲である場合は、一度上記の見分け方で長調の主音を突き止めてから、その音から2つ下の音を見てみてください。(ただし、調号で♯や♭がついている音はつけたままで下がってきてくださいね!)
その音が短調の主音になります。



すなわち・・・

  • シャープの例の時はラ、ソ♯、ファ♯と2つ下の音に下がって、ファ♯(=日本語で”嬰へ”)が主音の短調、つまり”嬰ヘ短調
  • フラットの例の時はラ♭、ソ、ファ、と2つ下の音に下がって、ファ(=日本語で”へ”)が主音の短調、つまり”ヘ短調

になります。

【例外】ただし、これだけは覚えてしまってください!

ただ、この見分け方だと調号が何もついていないハ長調と、フラット一つのへ長調は見分けることができません。
なので、この2つの長調と、同じ調号の短調は覚えてしまいましょう。

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ハ長調/イ短調
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ヘ長調/ニ短調

まとめ

一部例外はありますが、調号を見るだけで簡単に調を見分けることができます。

  1. 調号を見て、長調の”曲の中心となる音”=”主音”を見つける。
    →シャープ系の調号は一番右のシャープの半音上の音、フラット系の調号は右から二番目のフラットの音
  2. その曲が長調なのか短調なのかを見分け、調を見極める。

前回の記事に、全部の調号の一覧を載せているので、この方法で全部の調号を見てみてください。

それではまた次回!
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【ピアノ初心者のための楽譜の読み方】調号をおぼえて、譜読みを楽にしましょう! ①調号の見方について

こんにちは。
ピアニスト、ピアノ講師の内田瑞穂です。

今日は、楽譜の一番最初によく書いてあるこれについて書いてみようと思います。
↓↓↓
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このト音記号とヘ音記号の隣に書いてあるシャープのことを「調号」と言います。
調号って何?という人はこちらの記事から。
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この調号に慣れると楽譜を読むのがグンと楽になります!

シャープ、フラットのつく法則

この調号、曲によってシャープが1つだったり、3つだったり、フラットがついていたり、はたまた何も書いていなかったりと、さまざまな種類があります。

でも適当についているわけではなく、そのつけ方にはルールがあります。
シャープの場合とフラットの場合に分けて見てみましょう。

シャープの場合

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たくさんシャープがついていますが、何の音につくのか順番は決められています。
シャープの場合はファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シの順番です。

例えば、シャープが1つだけなら最初のファだけ、2つだったらファとド・・・とシャープが1つ増えていくごとにこの順で増えていくことになります。

フラットの場合

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フラットも同様で、つく順番が決まっています。
フラットの場合はシ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファです。



このシャープの場合とフラットの場合、それぞれの記号のつく順番を覚えてしまうと、譜読みが格段に楽になります。


「水兵リーベ~」と語呂合わせで覚えた元素記号のごとく・・・
「ファドソレ・・・」と順番を頭に入れてしまえば、シャープが1個だけだったらファにシャープ、2個ならファとドにシャープ、というのをどこにシャープが書いてあるかを読まなくても機械的にわかりますから。

それを確認してから音を読んで、譜読みしていけばいいわけです。

調号と調の関連性

調とは・・・?

さて、調号の見方がわかるとその曲がどの調の曲なのかを知ることができます。

”調”というのは簡単に言えば”その曲の中心となる音は何なのか?”を表す言葉です。
ハ長調だったらハ(=ドの音を表す日本音名)を中心とする長調(=明るい響き)の曲になります。

※”ドレミファソラシ”という音名はイタリア語のものですが、日本語では”ハニホヘトイロ”と呼ばれます。


ハ短調だったらハ(=ド)を中心とする短調(=暗い響き)の曲になります。


その調の中心となる音から一個飛ばしに3つの音を重ねた和音(ハ長調だったらド、ミ、ソ)が、その調の一番基本の和音となり、その響きが来るとメロディが終わってひと段落ついたような心地がします。
「このメロディはどこまで続くのか?」「どういう曲の作りになっているのか?」というのを楽譜を見て判断するためにも、その曲がどの調の曲なのかを知ることはとても大事です!

調号から調を判断することができる

調号には、シャープが1つのもの、2つのもの、フラットのもの・・・とたくさんの種類がありますが、1種類の調号につき長調と短調を1つずつ表すことができます。

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例えば、これはシャープ2つなのでファとドにシャープがつくことになりますが・・・
この調号では二長調(つまり二=レの音を中心とする長調)とロ短調(ロ=シの音を中心とする短調)の2つを表すことができます。


その曲がどちらなのかは調号だけでは判断ができません。
明るい響きの曲だったら二長調ですし、暗い響きの曲だったらロ短調になります。

以下に、すべての調号と、それに対応する長調・短調をまとめてみました。

調号の一覧

調号なし

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ハ長調/イ短調

シャープ系

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ト長調/ホ短調
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二長調/ロ短調
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イ長調/嬰へ短調
※シャープのことを日本語で嬰(えい)と言います。つまり”嬰へ”とはへ=ファのシャープのことです。
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ホ長調/嬰ハ短調
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ロ長調/嬰ト短調
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嬰へ長調/嬰ニ短調
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嬰ハ長調/嬰イ短調

フラット系

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ヘ長調/ニ短調
f:id:mizuHo:20200426132326p:plain
変ロ長調/ト短調
※フラットのことを日本語で変(へん)と言います。つまり”変ロ”とはロ=シのフラットのことです。
f:id:mizuHo:20200426132403p:plain
変ホ長調/ハ短調
f:id:mizuHo:20200426132455p:plain
変イ長調/ヘ短調
f:id:mizuHo:20200426132532p:plain
変二長調/変ロ短調
f:id:mizuHo:20200426132611p:plain
変ト長調/変ホ短調
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変ハ長調/変イ短調






・・・と一覧表にしてみましたが、これを全部覚えようとするとすごく大変です・・・!!
一応共通点としては、長調の中心の音(ト長調ならト=ソ)を調号を付けたままの状態で二つ下に下げたもの(ト長調ならソ、ファ♯、ミ、と下がってホ短調になります)が対応する短調になりますが・・・
「この曲はシャープが3つだから、その時の調は・・・」なんていちいち考えていたら頭がこんがらがってきてしまいそうですね(;'∀')


実は、調号を一目見ただけで何の調なのかがすぐわかるすごく簡単な見分け方があります。
でもそれはまた次回…続編をあげようと思います。


ここでは、調号1つにつき2つの調を表すことができるんだ、ということをとりあえず覚えておいてくださいね!

まとめ

それでは今日の記事の大事な点のまとめです。

  • 調号のつく順番は決まっています。

→シャープの場合は、ファドソレラミシ
 フラットの場合は、シミラレソドファ

  • 調号1種類につき、長調と短調を1つずつ表すことができます。
  • ”調”とは、”その曲の中心となる音は何なのか?”を表す言葉。日本語の音名”ハニホヘトイロ”を用いて、”ハ長調””ハ短調””二長調””ニ短調”・・・などと表すことができます。

それではまた次回!
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音楽の知識をもっと勉強したい人におススメの書籍

こちらは音大生や音大受験生からも信頼が厚く、長年愛されている書籍です。
ド定番中のド定番ですね。
本当に基本的なことから発展的なことまで網羅されているので音楽についてきちんと勉強したい人にはお勧めです。

巻末には問題集もたっぷり掲載されているので、読むだけでなく練習もできて、しっかり知識を身に付けられます。


究極の楽典 -最高の知識を得るために

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テレビなどにもよく出演している作曲家青島広志さんの著書。
いつも番組で面白い話をされていますが、本の中でも切り口が独特で面白い!

音楽の仕組みそれ自体の知識だけではなく、歴史や文化についてもちりばめられていて、幅広い知識を得ることができると思います。


同じ著者でこんな書籍も。

やさしくわかる楽典

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初心者向けにやさしく解説されていて、とてもよみやすい。導入にはもってこいです!
こちらも単なる知識だけではなく、コラムが盛りだくさんでそれがまた面白い。

初心者向けとはいえ、音楽にある程度精通している方でも十分に楽しめる内容だと思います!


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自粛期間中、週に1度は音源紹介を頑張ってみようと思います!という決意表明~毎週火曜の音源紹介コーナーその1

この外出自粛期間中、自分は音楽家として何ができるだろう・・・?とずっと考えておりました。

まだまだ演奏活動も本格的に始動したばかり…私にできることは少ないですが、少しでもおうちでリラックスして過ごせる人が増えるように、私が聞いていいな、と思った音楽をこのブログで少しずつ紹介していこうと思います!
とか言って、音源紹介自体は前からやっていたし、恒例にしたいとか以前の記事で言いつつ2週間空いてしまいましたが・・・(;'∀')




基本が面倒くさがりで夏休みの宿題も最後の最後まで溜めてしまう派の私は、期間を決めないといつまでもずるずるさぼっちゃう気もするので・・・
音源紹介コーナーを定期的に更新することにしました!



まだまだコロナが猛威を振るっていそうな5月いっぱいは、週1回のペースで更新しようと思っています。
今日から定期更新を開始、ということで毎週火曜日にこのコーナーを更新していきますね!

今日の音源紹介

・・・ということで決意も新たに定期更新第1回!
今日はブラームスのピアノ協奏曲第2番です。


Furtwängler, Edwin Fischer most lively: Brahms Piano Concerto No.2 live 1942.Special transfer

フルトヴェングラーの指揮でベルリンフィル、ピアノはエドウィン・フィッシャーです。
フルトヴェングラーはこのブログでよく紹介している気がしますね。やっぱり好きなのかな・・・?

まず冒頭のホルンの旋律に心をガシッとつかまれる。
その旋律が何度もいろんな楽器で、いろんな形で出てきて、後半ホルンの旋律がまた戻ってきたときにまたわしづかみにされます。

他のおすすめポイントとしては、第3楽章のチェロの旋律と弦楽器群のハーモニー。
こんなに美しい響きがあるんだ・・・なんて思うのは私だけでしょうか?


それにしてもなんでフィッシャーの音ってこんなにエネルギーに満ち満ちているんでしょうね?
美しくて、かつエネルギーにあふれた密度の高い音を出すのがどんなに難しいかって・・・

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番と並んで超難曲と評される曲ですが、いつかオーケストラバックで弾いてみたいものです。

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コロナショックでの、芸術文化に対する補償についてのニュースを見て

今日の横浜では昨日の荒天もすっかり落ち着きました。
桜はすっかり散ってしまいましたが、近くの公園ではチューリップがきれいに咲いていました。
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今日は、最近のニュースを見ながら思ったことをちょっと書き連ねていくのでお付き合いください。
私の個人的な見解になること、ご容赦くださいませ・・・。
ただ、このままじゃ自粛ムードが明けた時に日本の芸術文化が廃れてました、なんてことになりかねないなと感じてしまったので、今日は記事にしてみました。

ニュースを見て思うこと

最近コロナでの休業補償や政府の対応について毎日のようにニュースで取り上げられていますね。
今日の朝日新聞で、海外の補償の内容についても記事になっていました。

私もコロナのショックで仕事に影響が出ているうちの一人とはいえ、別に補償の金額とか中身についてとやかく言うつもりはありません。
ウイルスを完全に封じ込めるには、みんなが何かしらを少しずつ我慢するしかないと思っています。
ただ、このコロナのことがなくても、日本って芸術文化を守っていこうという意識は低い国なのかなあ~というのは常々感じていたことであって。


前にも記事にしましたが、昨年オーストリアに行ったときに、「あ、芸術文化が根付いているってこういうことなのね。」と思ったわけです。
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向こうではちょっと道を歩けば誰かが音楽を奏でていて、毎日のように教会やコンサートホールなどで演奏会が開かれている。
それを観光客にも門戸を開いて、観光名所では「今日の夜コンサートあるんだけど、どう?どう??」と呼び込みをかけているわけです。
まあしつこく誘ってくる人とかしつこくチップを迫ってくる人には辟易したけど・・・💦

なかなか押しの強い人はさておいて、そんな人たちの姿や表情を見ていると、みんな心から音楽を楽しんで、自信をもって披露しているんだな、ということが伝わってきます。
嫌々売り込みをかけているとか生活のためにしかたなく・・・なんてことはなく、どこぞの漫画のセリフよろしく「俺の音楽をきけ!!」みたいな(笑)


オーストリアから帰ってきてだいぶ時間がたった今でも、思い出されるのはそんな人たちの笑顔や自信に満ちた表情なんです。
自分たちの音楽文化というものに、いままで自分の音楽を磨き上げるために積み重ねてきた努力に、心から誇りをもっているからこそそんな表情ができるんだろうな、と感じました。
(実際は生活のため、って側面も多分にあるんだろうけどそれを見せないのも心から楽しんでいる証拠かな、と思います。)



こんなふうに日本でも、音楽というものを文化として根付かせたい!と思ったのが私が演奏活動に重きをおいて活動しようと決意したきっかけでもあるわけですが、、、
もちろんクラシック音楽というものが日本に根付いていないのは仕方がないです。
そもそも日本古来の文化ではないし、織田信長の時代にキリスト教などと一緒に日本に入ってきたとはいっても、本当に日本でクラシック音楽というものが聞かれるようになったのはここ100年余りのこと。
音楽文化を何百年と継承してきたヨーロッパとは雲泥の差ですからね。


ただ、日本固有の文化も日本に本当に根付いているの?と聞かれると素直に首を縦には振れないよなあ、と思うのが正直なところです。
着物なんてめったに街中で見ないし、ちょっと歩けば日本の文化芸能を見られるなんてこともなく。

もちろんそこに携わっている人達は、その文化に誇りをもって、並々ならぬ努力と時間を費やして継承してきているはずなのに、それが日本という国の誇りだと、心から思っている人が一体どれだけいるんだろう…?
そんなことに疑問ばかり生まれてしまいます。


日本でも休業補償とかフリーランスの支援、とかいろいろ支援策が出てきていますが、「アーティストは今の自分たちに欠かせない」と言い切って大規模な支援策を打ち出したドイツを始め、ヨーロッパ諸国の芸術文化を守ろうとする気概のようなものは、日本の政策からは見えてこないなあ、と思います。


最初にも言いましたが、別に中身に対して文句を言いたいわけじゃない。
ただ、これから日本にもっと音楽を広めたい、根付かせたい、と思っている一アーティストとして、芸術をあきらめなければいけなくなる人がたくさん出てしまいそうなこの状況に、ちょっと黙っていられなくなってしまいました。


私も、演奏活動としては今はあまり身動きが取れない状況ですが、今まで以上に努力は重ねているところなので、早くコロナが収束して、通常通りに戻せるようになることを心から願っています!


最後までお付き合いいただきありがとうございました!
少しでも共感してくださった方がいたら、下までスクロールしてブログ村のランキングバナーを一回ぽちっと押していってくれると嬉しいです(⌒∇⌒)

【末永幸歩著「13歳からのアート思考」を読んで】 アートの見方が分からない人が読んだらきっと向き合い方が見つかる。でも音楽だとどうだろう・・・?

「アート思考」とは・・・?

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

著者曰く、「自分なりの答えを作り出すための作法」のことを「アート思考」というらしい。*1
美術という科目の本来の役割はそうした力を身に付けることであり、一つの正解を見つけ出す力を養う数学とは対極にあるもの・・・。



実際の生活の中で「一つの正解」を求められる場面はたくさんあるし、私もついつい正解を追い求めたくなってしまうことが多いです。
もちろん正解を追い求めることも必要なんだけど、その「正解」って人の価値観によっても違うし必ず正解が存在するとも限らない…。
音楽の世界に生きているとそのことを痛いほどに感じます。



この著書の中では、「アート」というものを植物に例えて、「表現の花」「興味のタネ」「探究の根」の3つの部分からなっている、と表現していました。
「表現の花」とは作品のこと、「興味のタネ」とはアート活動の源になる興味や好奇心、疑問など、そしてそのタネから伸びている「探究の根」はアート作品が生み出されるまでの長い過程を示しており、この根の部分こそがアートの本質である、と・・・。*2




著者曰く、そんな探究の根を伸ばし植物を育てることに一生をかける人こそが「真のアーティスト」だそうな。*3
私もそんな「真のアーティスト」になりたいものです・・・。

という私のことは一旦隅に置いておいて(笑)
この著書の題材は美術作品ですが、最後まで読み進めればさまざまな「アート作品の見方」というものを体験できます。




「この作品はこういう背景で描かれて、こういうものが表現されている」
・・・なんてそんなことではなくて、「アートってどんな風に見ればいいんだろう?」「そもそもアートってなんだろう?」そんな本質的なことに踏み込みます。



著者も何度も本の中で言っていますが、「アートに詳しくなるため」ではなく、日ごろ考えもしないことに思いを巡らせることで「自分なりの答え」を見つける力を養うために・・・。*4
「アートの見方」、ひいてはこれからの多様性を求められる時代に不可欠であろう「自分で新しい答えを創造する力」というものを考えさせられる著書だと感じました。



音楽だとどうだろう・・・?

先程も言いましたが、この著書の題材にしているものは美術作品、とりわけ20世紀以降のアート作品です。
でもここでふと疑問に思ったのです。

「音楽だとどうだろう・・・?」



音楽も美術も同じく「アート」であることは間違いありません。
ルネサンス期の美術が王侯貴族や教会などから注文されて作っていたように、バッハやハイドンなどの時代の音楽も貴族や富裕層から注文されて作曲されていて、作者が作りたいものを自由に作るようになったのは後の時代のこと。そこも一緒です。



著者はアート作品の見方は2つあると言っていました。*5
一つは「背景とのやりとり」
作者の考えや人生、時代背景など、作品を成り立たせている様々な要素から作品について考えること。
もう一つは「作品とのやりとり」
アーティストがどんなことを考えて作品を作ったかはまったく考慮せず、鑑賞者が作品を見て自由に思いを巡らせることです。





その2種類の見方については著書の中で実際に体験してほしいのですが…
著者はこんなことも言っていました。

音楽を聴くとき、私たちは「作者はなにを表現したかったのだろう?」「ここはどうするのが『正しい』のだろう?」「作者の意図がわからないからこの曲は理解できない・・・・・」などと考えてばかりはいません。ただ純粋にその作品だけに向き合っている瞬間があるはずです。
このように、音楽の鑑賞においては、多くの人がごく自然に「作品とのやりとり」をしているのです。
*6


確かに、失恋ソングを聴いたら自分の体験に重ね合わせて涙し、故郷を歌った歌を聴いたら自分の故郷に思いをはせる…。
そこにその曲の作者が体験した実際の出来事や意図についてはまったく関係がありません。



でも、『音楽の鑑賞においては自然に「作品とのやりとり」をしている』・・・



本当にそうでしょうか?
歌詞のある、内容が明確な音楽はともかくとして、クラシックになった途端に「背景とのやりとり」ばかりになっていませんか?




「クラシックって難しそうだしよくわからない・・・」なんて、「作品とのやりとり」ができているならそんな言葉は出てこないはずです。



どうしてそう思うのか・・・?それは簡単です。
かつての私が実際にそうだったからです。




音楽における「作品とのやりとり」


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かつての私も「クラシックなんてよくわからない」と思っていました。
尊敬できる先生との出会いとかいろいろあって現在はピアノを仕事にまでするようになったのですが・・・
まあ詳しい話はこっちのページを見てもらうとして。




ともかくそんな私が「クラシックって楽しい!」と思うようになったきっかけは、まさにこの著書で言う「作品とのやりとり」の楽しさを知ったからだと思っています。




クラシックって一つ一つの要素が密接に絡まりあい、本当に深く考え込まれて作られているんです。
それをまるでパズルのように見つけ出す楽しみを知ってしまったことがクラシックにどっぷりはまってしまった理由ではないかと思います。




楽譜を眺めていたら、「あ!このメロディってこれを発展させてるんだ!」とか「ここの部分とそっちの部分を掛け合わせてるのね。」とか・・・
ベートーヴェンの有名な「運命」なんて、ジャジャジャジャーン♪のフレーズだけで一体どこまで行っちゃうんだ・・・とか。





とはいえ、それだけですべて説明ができるわけではないし、向き合い方に正解はきっとないわけで、他の人はまた違う見方をするんだろうと思います。


結局のところ、
「音楽における『アート思考』ってなんだろう?」
「私が日ごろ取り組んでいる以外の『作品とのやりとり』の方法にはどんなものがあるのだろうか?」

そんなところがこの著書を読み終えて疑問として残りました。




このブログを読んでくださった皆さんはどう思うでしょうか?
読んだらぜひご意見を聞かせてほしいです。

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

  • 作者:末永 幸歩
  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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*1:末永幸歩著「13歳からのアート思考」13ページ

*2:末永幸歩著「13歳からのアート思考」30ページ

*3:末永幸歩著「13歳からのアート思考」35ページ

*4:末永幸歩著「13歳からのアート思考」巻末実践編より

*5:末永幸歩著「13歳からのアート思考」154ページ

*6:末永幸歩著「13歳からのアート思考」162ページ

【ピアノ初心者のための楽譜の読み方】音符を読めるようになる3ステップ ②練習問題

こんにちは。 ピアニスト・ピアノ講師の内田瑞穂です。

前回の記事で解説した音符の読み方、その練習問題を作ってみました!

前回の記事を読んでいない方はまずはこちらから! blog.piano-mi66.me

前にも言いましたが、音符を読むためのポイントは、音符を見た目で覚えてしまうこと。 今日の練習問題も、なるべくスラスラ読めるように頑張ってみましょう!

はじめはなかなかスピードが上がらなくても、だんだんスピードが上げていけるように何度もトライしてみるといいんじゃないでしょうか?

レベル0 前準備

大事なことを一つ言い忘れていたので解説します。 音符を読む順番についてです! そんなの当たり前だよ!知ってるよ!という人は読み飛ばしてくださいね💦

f:id:mizuHo:20200411133104p:plain

音符は全部ト音記号、ヘ音記号の一番近くから矢印の方向に読んでいきます。

今日の問題では音をいくつか並べたので、矢印の方向に、なるべく早く読めるようにしてください。

それではいってみましょう~

レベル1 「ド」「ミ」「ソ」「シ」

今日は前回の記事でいうステップ2からいきますが、まずはレベル1。
ト音もヘ音も「ド」「ミ」「ソ」「シ」の位置をしっかり頭に入れてから取り組んでみてください。
→音符の位置が頭に入っていない人は前回の記事を参照です!

問題①

なるべくすばやく読んでください。 f:id:mizuHo:20200411125056p:plain

解答は下にスクロール~↓↓↓

解答

ミ、ソ、ド、シ、ソ、ド、ソ

問題②

なるべくすばやく読んでください。 f:id:mizuHo:20200411125346p:plain

解答

ド、ソ、ミ、シ、ド、シ、ソ

レベル2 「レ」「ファ」「ラ」「ド」

次はレベル2です。 こちらも問題のやり方は一緒😊
ト音もヘ音も「レ」「ファ」「ラ」「ド」の位置をしっかり頭に入れたらやってみましょう!

問題③

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解答

ラ、ファ、ド、レ、ラ、ド、ファ

問題④

f:id:mizuHo:20200411125355p:plain

解答

レ、ラ、ファ、ラ、ド、レ、ファ

レベル3 ここまでのまとめ

レベル3はここまでのまとめです! 今まで出てきた音をランダムに出しますので、なるべくすばやく読めるように頑張ってくださいね😁

問題⑤

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解答

ソ、シ、ラ、ファ、ミ、ド、レ、ド

問題⑥

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解答

ラ、ソ、ド、ミ、レ、シ、ファ、ド

レベル4 発展編~もっと高い音、もっと低い音

次は発展編です! もっと高い音、もっと低い音に挑戦してみましょう。

まずは高い方も低い方も「ド」「ミ」「ソ」「シ」をしっかり頭に入れてくださいね!

問題⑦ 高音部

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解答

ド、ミ、シ、ソ、ド、ソ、シ

問題⑧ 低音部

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解答

シ、ミ、ソ、ド、ソ、シ、ミ





今度は「レ」「ファ」「ラ」「ド」ですよ! 位置は頭に入っていますか~?

問題⑨ 高音部

f:id:mizuHo:20200411125144p:plain

解答

ファ、レ、ラ、ファ、ド、ラ、レ

問題⑩ 低音部

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解答

ファ、ド、レ、ラ、ド、ファ、レ





それでは、発展編をまとめましょう!

問題⑪ 高音部

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解答

ソ、ド、ファ、ミ、シ、ド、レ、ラ

問題⑫ 低音部

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解答

シ、レ、ファ、ド、ソ、ラ、ミ、ド

レベル5 最終問題

さて、今日の最終問題です😁 ここまで、どのくらい素早く読めるようになったでしょうか? なるべくスピードを上げてから最終問題にチャレンジしてみてくださいね!

問題⑬

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解答

シ、ファ、ソ、ド、ミ、ファ、ド、レ、シ

問題⑭

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解答

レ、ラ、ミ、ソ、ド、シ、ソ、ミ、ファ

最後に

ここまでお疲れ様でした! 最終問題がスラスラ読めたなら、音符の読み方はバッチリですね✨

読むことができたら、ピアノでその音を鳴らしてみてもいいかもですね! 音の高さと鍵盤の位置がちゃんと一致して認識できていれば、そのまま曲を弾くことにもつなげられます。

音符を読むことは何度も繰り返し練習することが肝要です! 逆にそれさえできれば、そんなに難しいことではないはずです😊

コロナでお家にいる時間が長いこの機会に、音符を読めるようにしてみてはどうでしょうか?

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